コラム「猫の手も借りたい」№40  このところ 上

3月から、PATに依頼のあった「単身高齢者女性宅」に、増え過ぎた猫のレスキューに入った。

まず成猫全頭の手術(♂・♀合わせて23匹)、他に子猫も3匹いたが(これは小さすぎて未手術)、また、子猫を含めた人に馴れ健康状態の良い生後5、6ヵ月から1歳程度の猫たち14匹の里親探しを行った。そのため、準備と実施で3月丸々と4月初旬の休日という休日は、ことごとく潰れた。

いやはや、大変大変、もうヘトヘト。この辺りは、もう少し先にお読みいただだくことにしよう。

さて、それと同時に、このところ私ども「PAT」への問合せや依頼が倍増して来た。嬉しい悲鳴だが、輪をかけて忙しくなって来た。

その中でやはり多いのは「猫が増えて困った!」。これは、すでに状況や対応策を何度かコラムでもお読みいただいている。

次が、「ノラ猫がケガをしている」や「どこそこ(もちろん屋外)に子猫がいる」である。

私たちは、「シェルター」を持っているわけではないので、残念ながら猫の保護、引き取りはしたくても出来ない。

だから、ご連絡を下さった方と一緒に「解決策」を探して行く。「出来ることをする」のである。

まず、連絡を下さった方々に、その猫を助けてやりたい、関わって行こう、というお気持ちを持っていただくためにお話しをする。みなさん、連絡すれば何とかなるかな、と思ってお電話を下さる(と、思う)。言い換えれば、最初は「あなたたち(PAT)で何とかして欲しい」という依頼の電話なのだ。

私たちも、時間と資金があれば何とかして差し上げたいのはやまやまであるが、いかんせん、現段階では両方とも難しい。基本的にスタッフは各人が別の職業を持っているし、PAT自体、すべて私たちの会費で運営している。要は私たちは「手弁当」で会を運営しているのだ。

みんな仕事をしていても、いつかかってくるか分らない問合せ電話に、なるべくその場で出られるように体制作りをし、対応している。

話がそれた。さて、どう解決していくか。

「ケガ」をしている子にせよ、「子猫」にせよ、その状況、状態をよくお尋ねし、いったいどうしたら助けてやれるか相談者と一緒に智恵を絞る。

例えば子猫は、生後1~2ヵ月程度であれば、離乳しているので市販のキャットフードを食べることが出来、また、保護してやればほとんどの子が短期間で人に馴れる。屋内で保護し、健康診断や必要なチェックをしてやり、異常なしなら、早ければ1~3週間程度で里親さんを探すことが可能である。

だから「お宅でずっとは飼育出来ないでしょうが、3週間程度の期間面倒をみられるのであれば『里親さん』が見つかるかも知れませんよ。そのまま屋外にいたら、ずっと気になるでしょうから、なんとか頑張ってやってみて下さいませんか?里親探しは私たちもお手伝いしますよ」とご相談する。

そんな電話が前にもましてかかってくる。動物とは言え、命がかかっている場合も少なくないから、お電話を下さっている方は、本当に大変と思う。私たちもなんとか動物を助けてやれるように、一生懸命である。

続きます。

2012年/5月某日 くどいけいこ

 

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№39  かよちゃん 下

最初は、うまく行っているように見えた。しかし、やはり外に出つけている彼のストレスが大きかったようである。

Yさん宅に来るまでは屋外で自由闊達に過ごし、家の中で他の猫たちと終日鼻面を突き合わせることも皆無だったかよちゃん。なんと彼自身が「マーキング」をしたり、気がつくとお風呂場の洗濯機の上で、皆から離れ丸まって眠っている、というような状況になった。

時節も初夏を迎え、網戸越しに屋外の様子が見て取れると、もう、外に出たくて堪らない様子。うーん、難しいなあ・・・ かよちゃんは「おうち」は要らないということか。

その後もしばらく様子を見たが、他の猫との関係も好転しないため、悩んだYさんは獣医さんにも相談に行った。獣医さんも、この子のためには、交通事故や感染症のリスクはあるが、「元の環境」に戻す方が良いかも、というご意見であった。

いろんなことがあったが、かよちゃんは、また元の「ノラ猫」に戻った。

彼をノラちゃんに戻すにあたり、彼の写真を入れて、その経過と今後のお願いをポスターにまとめ、戻す地域に貼り出した。様子を見ていると、けっこう立ち止まって見て下さる方もあった。「残念ながら、またこの地域に戻る」こと、「給餌などの世話は、ボランティアが責任を持って行うので見守って欲しい」などの主旨をお読みいただいた。

今は結局、かよちゃんはNさん宅を離れ、昼間は高齢のご婦人宅で、夜間は仕事を終えて帰って来られる3軒目のご夫婦宅と、上手に世渡りをして勝手気ままに暮らしている。

子供たちとも顔馴染みのかよこ、また、道端でランドセルを降ろしての一休みの光景は変わらない。

私のことも覚えてくれているらしく、私の餌やりの最中に、ふらりと姿を見せたりしてくれる。

かよちゃん、車にはくれぐれも気をつけてね。

 

2012年/4月某日 くどいけいこ

 

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№38   かよちゃん 中

オスのかよこをYさん宅に入れるにあたり、慎重に打合せをした。

まず、9ヵ月近く屋外で過ごしているので、他のノラ猫にも接触している。感染症などの再度の健康診断が必要だ。病院に連れて行こうとNさんと話したところ、Nさん宅も含め、数軒のお宅で給餌したり面倒をみたりして下さっているらしいことが判った。というのは、かよこがNさん宅にあまり居ないので、近所に聞き込みをしたらば、他のお宅で見かけた、という目撃情報があったというのだ。

とにかくNさん宅に戻るように仕向けるため、フードを与えないでいただく作戦を考え、「次の日曜日に病院で検査するのでフードを与えないで」との旨を書いた丸いプレートを作成し、かよちゃんに首から提げて貰った。

とたんに、近所のお一人暮らしの老婦人が、鼻息荒くNさん宅に事情を聴きに来られた。「この猫に何するつもり?日曜日なんて病院はやってないのに!」とのことだったそうだ。かよこはノラ生活の中でも「可愛がって大切にして下さるお宅」を見つけていたんですね。

Nさんは、かよちゃんに新しい飼い主さんが見つかり、その準備で病院を受診する必要があり、むろん「次の日曜日」に動物病院は診察をしている旨、説明して下さった。それを聴いて、その老婦人から、もう1軒かよちゃんが懇意にしているお宅があることも判った。

3軒のお宅に出入りしていたかよちゃん。3軒とも残念ながらかよこを「飼い猫」として迎え入れられない環境にあることも新たに判った。

彼の健康診断は前回より入念にし、エイズ・白血病の血液検査も行い、幸い問題はなかったし、再度のワクチンも済ませ、更には「シャンプー」もして貰った。今度行くYさん宅は、去勢済みだが他のオス猫が数匹いるので、やはり「なわばり争い」を避けるため、智恵を絞ってオス猫の匂いを消すことを考えた。

さて、シャンプーが終わったかよこを連れタクシーでYさん宅に直行し、玄関戸に手を掛けた時、先住ちゃんたちが「どど~っ!」と2階から駆け降りて来る音が聴こえた。「なにー、だれー?」っと新入りが平気な子たちは興味深々だが、そうじゃない子はかよこを見て慌てて2階に引き返した。

その日はYさんが準備して下さった「3段ケージ」に彼は収まった。私は早めに失礼したので、その後のことは電話でYさんに確認した。

かよこは、ケージの中でくつろぎ、ご飯も食べたし毛繕いもしている。心配した他の猫たちも、気にはしているが特に固執した様子はなく過ごしており、これは「シャンプー」のお陰ではないか、とのことだった。

猫たちが折り合う条件に、「匂い」は非常に大切で、例えば母猫が自分の子猫を認識するのは「匂い」が大きなポイントであると言われる。

うちの法人で、8匹ほど室内飼育をしていたスタッフは、猫たちのマーキングに悩まされていた。家の広さにもよるが、5~6匹に猫が増えた辺りで、去勢・避妊が済んでいてもストレスからかマーキングが始まるようだ。スタッフ宅も例外ではなかった。家中マーキングで、オシッコがかかる場所は常に「ペットシート」でカバー、汚れたら取替えていた。

ある時、スタッフ宅は引っ越しをすることが決り、馴染まぬ新居に更なる悪化を予想していたが、なんと結果は真反対、まったくマーキングがなくなったという。

猫たちは、争うこともなく、それぞれがそれぞれのお気に入りの場所を見つけ収まった。要は以前の関係が「リセット」されたということらしい。

さて、かよこのその後は、次に続きます。

 

2012年/3月某日 くどいけいこ

 

 

 

 

 

にゃんこの 緊急! 里親会

 「にゃんこの 緊急! 里親会」はお陰さまで
盛況でした。

大勢の方が、生後5ヵ月~1歳前後、という
大きめの「にゃんこ」たちにお時間を割いて
遠方からも会いに来て下さり、ペットサロン&カフェ
メルヘンの 店内は、両日とも大賑わいとなりました。

スタッフも嬉しい悲鳴、ご来場の方々に合わせて
レイアウトを変えたりと大わらわ、不行き届きの点、

申し訳ありませんでした。

 私たちも、10匹以上のいわば普通の
「おとな」の大きさばかりの猫の里親会は初めて
でしたので、心配しましたが、皆様の温かいお心で、
新里親さんが次々と決まりました。
結果的に、残念ながらご希望に添えない方もあり、

本当に本当に申し訳ございませんでした。

また、「この子たちの医療費を」とお願いした「寄付」も
たくさん頂戴しました。

にゃんこの里親会、そしてNPO法人PATから、
皆様に厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

<里親会風景>

 

 

大賑わいのメルヘン 順番に猫たちに会っていただきました

 

ペットシートの下に隠れたクロちゃん(^^)v

 

アドバイス中の理事長(バックシャンです)


 

~以下のご案内をしました~  

 

 この子たちを見てください。

 

 一見普通の猫たちに見えますが、

実は、つい最近まで「ワンルーム」で20数匹が

一緒に飼われていたんです。

飼い主の単身高齢者の女性が「飼い切れない」とSOS、

NPO法人PATがレスキュー、全頭の不妊・去勢手術を

行います。

元の環境に戻る子もいますが、若い猫たちは

なんとか新しい環境で暮らさせてやりたいと

里親さん探しを決意しました。

 

この子たちを新しい家族にお迎え下さる方の

ご連絡をお待ちしております。

 

<にゃんこの 緊急! 里親会>

日時:3月20日(祝・火)、24日(土)

   14時~16時

場所:ペットサロン&カフェ メルヘン

   北区十条仲原3-8-4

 

  

ぜひ、お越しください。お待ちしております。

 

エントリーの猫たち

愛称:サビ(No.1
猫種:MIX
性別:女の子
毛色:サビ三毛
年齢:推定1歳前後くらい
体重:3kg前後
特徴:短いカギしっぽ。
性格:人懐っこい

 

 

 

 

 

 

 愛称:キジ白(No.3
猫種:MIX
性別:男の子
毛色:キジ白
年齢:推定78ヶ月位くらい
体重:2.5kg前後
特徴:中くらいのカギしっぽ
性格:人懐っこい

 

 

 

 

 

 

愛称:縞三毛2No.9
猫種:MIX
性別:女の子
毛色:縞三毛(縞々のある三毛)
年齢:推定1歳前後くらい
体重:3kg前後
特徴:長いしっぽ
性格:人懐っこい

 

 

 

 

 

他にもエントリーいたします。

*生後5ヶ月~1歳くらいの子たちです。

 

<問合せ>にゃんこの里親会


携帯:090-6347-8709

メール:nyankonosatooyakai@ezweb.ne.jp

*ご来場いただけない方や、個別の見学を

     ご希望の方、どうぞご連絡ください。

 

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№37  かよちゃん 上

2007年の盛夏の真夜中、「かよちゃん」は突然現れた。

とても馴れた茶と白の猫、お尻を見たけど男の子の印(しるし)がなく、「大きな女の子」だと思い、インスピレーションで「かよこ」と命名した。私にとってこの子は「かよこ」のイメージだったのだ。

かよこの「茶と白」は、紅茶にミルクを半々くらいの割合で入れ、それを混ぜない状態で紅茶の中にミルクが漂っている感じの、とても美しいミルクティ色。当時は私もボランティア歴が浅く、今なら「かよこ」なんて名前にはしない。何故なら、遺伝学上、茶と白の猫は7080%が男の子で女の子は極々稀だから。

もうひとつ、女の子と踏んだ理由に「首輪」の色があった。ピンクのノミとり首輪をしていたのである。

案の定、しばらく経って明るい昼間、かよちゃんをよーく見たらば「去勢手術済み」の男の子であった。でも、そのまんま「かよちゃん」になった。

「迷い猫」かも、と写真を撮ってポスターを作り、貼れる限りの場所に貼った。しかし、反応はゼロだった。

もちろんピンクの首輪も外して確認し、住所や電話番号など、この子の手掛かりはないものかと思ったが残念ながらダメだったし、外した首輪を見て、これは迷い猫ではなく捨てられたな、と思った。

首輪は「ノミとり」の効果なんぞとっくのとうになくカチカチに乾燥しており、着けた切り取り替えられては貰っていなそうで、残念ながらあまり手を掛けられた猫ではなさそうであった。それに屋外に慣れていることも合わせると、室外飼育をされていた飼い猫ではないかと推察した。

あまりに馴れた猫なので、近所のNさんが玄関脇のちょっとしたスペースに「段ボールハウス」を置いて、飼い主さん宅に戻れるまではと、給餌も初めて下さった。有り難いことである。しかし、一向に飼い主さんは現れなかった。

去勢手術が済んでいるためか、オスなのに大人しく、学校帰りの子供たちも「なでなで」したり、ランドセルをおろして道端でかよこと一緒に一休みしたりする光景が見られ、これはこれで微笑ましかった。

ひと冬越した翌年の5月、大きなお屋敷で猫をたくさん飼育しているYさんが「外にいるのも可哀想だから、うちに入れてみるわ」と言いだしてくれ、私もNさんも、それは良かった、と喜んだ。かよちゃんにもまた「おうち」が出来るんだもの。

かよちゃんは、現れて程なく、キャリーケースに入れて動物病院で健康診断をし、幸い問題もなくワクチン摂取も出来た。

彼女は、いや彼は、大人しく診察されたばかりか、診察が終了しても動こうとせず、診察台の上でスフィンクスのようにくつろいで座り、室の中をぐるりと見廻し、気持ちよさげに尻尾を左右にゆらゆらと振りドクターたちを驚かせた。

続きます。 

 

2012年/2月某日 くどいけいこ

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№36 わたしたち、何者?下

保護器を見たAさんは「え、そんなもんで捕まえるの?!! 絶対に無理よ、入らないわよ」とおっしゃった。

「なんの根拠があって、そのように『否定』されるんですか?」とお尋ねしたいところだが、そうもいかない。ニッコリ笑って「まあ、とにかく仕掛けてみましょうよ」と促す。

仕掛けるフードは、手術を控えているので、ほんの少しである。ネコの胃の中は空っぽにしたいのが本音、だから大概こちらから見繕って持参する。

ところがAさん、「この子はこれで」と缶詰を開けようとされるので、待ったをかける。とりあえず、私たちが用意したフードでやってみましょう、と持ちかける。缶を開けてもほとんどが無駄になるからである。冬場はともかく、夏場はウエットフードの痛みは早いからもったいない。ドライフードだと、捕獲後に残った物がばらばらと散らばり始末が悪い。

早速、保護器の準備をし、ネコの居る場所に仕掛けた。Aさんは、「掛からない」と思っていらっしゃるから全然乗る気ではなく、この雪が降る寒い中こんな無駄なことして、と言いたげだったので、ちょっと離れたところで待機していただいた。待つこと3分、静かなので様子を見に行ったところ、ネコは保護器の入り口付近の「おとり餌」は食べていたが、肝心の一番奥の分までは食べていなかったので、再度「おとり餌」を置き直し、もう一度トライ。

Aさんは一度私たちが保護器を見に行ったところで、ほーらごらん、この子が入るわけないわ、といったお顔であった。

再トライして待つこと数分、「ガシャン」という音と共に、ネコの捕獲に成功した。

捕獲出来た、とAさんに伝えると、保護器の中を覗き込んで確認し、びっくりした様子で「あなたたち、いったい何者なの?」とおっしゃった。こんな時はいつも「わたしたちですか?ただのボランティアですよ」とお応えすることにしている。

その後、保護したネコをお預かりし急遽予約し直した動物病院に車で運んで無事手術、麻酔が覚め術後も問題がないとのことで、夜にはネコをAさん宅まで運んでお返しした。捕獲が成功してからのAさんの態度は一変し、ひたすら「ボランティア」に感謝の気持ちで接して下さった。有り難いことである。

大概の皆さんが、保護器を見ると「ネコはこの金属のカゴでは捕獲できない」とおっしゃる。うちの近所のMさんの時も同じ反応であった。

Mさん宅の捕獲予定場所は、門扉から玄関までのほんの1.5mくらいの短いアプローチしかなく、またネコもちょっとシャイなタイプだったので、ここで私たち見知らぬ者がいきなり保護器を仕掛けても、それこそそのまま現れない可能性もあるなと踏み、Mさんにお願いしフードを仕掛けた保護器を置いていただいた。「掛からない」とお考えのMさんも浮かぬ顔だった。

さて、結果はどうだったかと言うと、置いてすぐ、Mさんが見ている前でものの1分もしないうちに捕獲でき、Mさんもびっくり仰天!その後は私たちに「感謝」のまなざしを注いで下さったのであった。

 

2012年/2月某日 くどいけいこ

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№35 わたしたち、何者?上

お陰様でPATも、活動開始から6年目を迎えることとなった。

そんな中、普段の様々な活動で関わった皆様や、その皆様から紹介された方、行政から紹介のあった方、またホームページも開設したりもありで、このところ「問い合わせ」や「協力要請」などの連絡が、けっこうな数、入るようになって来た。これも活動の賜物ですかしら、嬉しいです。 

「問い合わせ」や「協力要請」は、「ネコ」の件が一番多く、その中でもやはり「餌やってたら増えちゃった~」というのは多い。

そんな時、私たちはどう対応するかと申しますと、最初に電話でよくお話しを伺い、例えばネコを増やさない一番の有効手段は「避妊・去勢手術」ですから、手術をお薦めし、することに決まったらその段取りをするわけです。

手術のために「ネコ」を保護するには「保護(捕獲)器」を使うが、その使い方を説明して自ら保護出来たネコを動物病院に持ち込める人には、そのようにしていただいている。私たちスタッフもみんな仕事を持っているから、その合間を縫ってしかお手伝い出来ないので、自ずと時間の制限があるが、ご自分で対応出来る人は、自分の都合で比較的自由に動けるため早く解決出来る等の利点がある。

もちろん、例えばご高齢の方などはやはり「スタッフの助けがないと無理!」ってことも往々にしてあるから、その時は電話や時には直接お伺いして打合せをしたり、現場を見せていただいたりして協力体制をしく。

この時も、60代の女性Aさんからの依頼で「保護(捕獲)」の協力要請があったので、日時を決めて出向く手筈になっていたが、その日は運悪く「雪」の予報。あまり寒いと私たちも猫が出て来るのを待つ「待ち時間」が充分に取れないし、そもそも「雪」だと餌場に来ない子もいるので、依頼者のAさんと相談し「延期」と決った。

最初に保護を予定した日、天気予報はばっちり当り、「雪」だった。たまたま子猫の新里親さん先への引き渡しがあり、スタッフ数人が新里親さん宅で、子猫を囲んで「あーだこーだ」と話に花が咲いていた最中にスタッフの携帯がなった。

電話はAさんからだった。

「雪」が降っているが、保護予定のネコが現れたので急遽保護しに来て欲しい、というものであり、「え゛、だって今日は雪だから延期なんじゃ・・・」と言いつつも、ネコが来ていると言われたからには行かざるをえまい、とスタッフは重い腰をあげた。

車には保護(捕獲)器が積んであったので、1時間近く掛けて現場に向かった。到着し、Aさんに携帯で連絡、落ち合った。

保護器を持って車から降りた時、その保護器を見たAさんは「え、そんなもんで捕まえるの?!! 絶対に無理よ、入らないわよ」と言われた。

続きます。

 

2012年/2月某日 くどいけいこ 

 

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№34 猫の事故 ~誤食/誤飲~

お正月休み、松の内も終わり、また普段の生活が戻って参りました。

 くどい でございます。このコラムも2回目のお正月を迎えることが出来ました。ありがとうございます。

昨年(2011年)は、12月に「パトカー」を呼ばれるような事が発生し、この「猫の事故」の間にお伝えすることとした次第です。

その後は「腕章」を作成、着用し、同じことが繰り返されないように努めております。

そんなこんなで、また今年もよろしくお願いいたします。

 

<誤食/誤飲>

動物病院の待合室にいると、長い待ち時間の間についついお互いに話しを聴いたり訊かれたり。その時にたまに聴くのが、「とんでもないものを食べちゃった、飲んじゃった」話し。もちろん自分でも経験があるから、それも交えてのお話しです。

仕事場から帰ったらご自宅の猫ちゃんが床にうずくまっており、様子が変だと気がついたそうです。おでこを触ったら、指の跡がぺこりとつき「むくみ」があった。どうしたんだろうとテーブルの上を見たらば、噛み破った「シラス」の袋に気がついたとのこと。テーブルの上に出しておいた「シラス」を一袋丸々食べちゃってたそうで、この猫ちゃんは治療の甲斐なく亡くなったとのこと、急性腎不全とおっしゃっていました。

うちの坊主は、流しの三角コーナーの生ゴミの中から、サンマの骨を食べちゃいました。飼い主に似て卑しん坊です(笑)。魚や鶏の「骨」自体、食してしまうと、そもそも食道や胃を傷つけたりするから要注意ですよね。

「ゴミ」は衛生的ではありませんし、「味」があるものも良くない。それ以来うちは生ゴミはすべて手の届かない場所に処理してしまうことにしました。

味や匂いのついたラップも危険、マヨネーズや肉汁のついたラップを「食べ物」と認識する子もいるようで、食べたら消化はしませんから、怖いケースです。

ノラちゃん時代を経験している子は、通りすがりの人から投げて貰ったビスケットや鶏のから揚げの骨、ファーストフードの紙袋の中に首を突っ込み、油の匂いのついた携帯用ケチャップの容器を舐めたりしながら、何とか命を永らえて来たのでしょう。可哀想な経歴の持ち主なんですね。でも、それで逆に命を永らえ、縁あって飼い猫になることが出来た子たちではないでしょうか。

一度知った味データは、すでに猫ちゃんたちの舌に脳にインプットされてしまうのでしょう。忘れるのには永い時間がかかるかも知れませんが、「与えない」と決めてしまえば、「貰えない」ことを徐々に認識して来るかと思います。食べ物はすべて片づけておけば、お互い安心ですね。

ゴム、ひも、電気コード、携帯の充電器コードなど、長くて細いものを咬んだり食べたりする話しもよく耳にします。これはけっこう厄介ですね、片づけたり隠したりしておくことが出来ないものです。ここで飼い主さんの知恵や努力が飼育動物を守ることになりますよ。出来る限りの対応を考えて。

子猫は生後6ヵ月くらいの、乳歯が永久歯に生え変わる時期に、よく色々咬むことがあります。歯が生え変わるのに違和感があるのでしょうね。しかし、これも一過性のことが多く、その時期が過ぎると自然と咬まなくなる子がほとんどです。

異変があったら、様子を見ながら応対し、迷うようなら動物病院へ。

 

2012年/1月某日 くどいけいこ

 

 

 

施設訪問 犬と一緒にグループホームへ

新年明けましておめでとうございます。

旧年中はいろいろお世話になり、ありがとう             ございました。

本年も PATをよろしくお願いいたします。

 

 

本年最初の報告は、昨年12月の「グループホーム」への訪問です。

 

東京都下のグループホームさんよりご依頼があり、12月4日(日)、ご高齢者へのアニマル・セラピーを目的とした訪問が実現しました。

PAT からは、会員3名とゴールデン・レトリバーやヨークシャー・テリアなどを連れて参りました。

同行した犬たちは「人と慣れ親しむ」よう、何度も大勢人が集う場所に一緒に行き、訓練を繰り返しています。人をまったく怖れません。

犬たちとの触れ合いが進むにつれ、最初は硬かった皆さんの表情が柔らかくなり、本当に楽しそうでした。

 

私たちは、ご依頼があればいつでもご訪問いたします。

 

大勢の皆さんとホールで

 

最初は皆さん「遠巻き」です

 

少しずつ犬との距離が縮まって来ました

 

時間が経つにつれ・・・ 楽しそうです^^)v

 

レトリバーの「デイジー」号

 

素敵なクリスマスツリー、和やかな時間でした

 

 

<問合せ>

代表 03-3905-8010

 

 

 

 

 

コラム「猫の手も借りたい」№33  続・事情聴取

餌やりをしている時、いきなりだった。22時半を回っていたと思う。

明らかに私は叱られていた。 

「てめー、夜な夜な猫に毎晩餌やってんじゃねえぞー、てめーが餌やらなきゃ、猫はどっかに行くんだよー、気持ち悪りーなー」

顔見知り程度の若い男性。夜、犬を連れて散歩されている人で、ここ1~2年、散歩コースが私の餌やり場所と重なっていた。言葉を交わしたことはない。犬のリードがワイヤー式の、手元から繰り出されるタイプなので、犬が、与えたフードを食べている猫を後ろから跳ね除ける形で容器のフードを食べてしまったりしたことがあり、時々舌打ちのような音が聴こえ、良い印象は持たれていないな、とは感じていた。今夜、溜まっていた感情が爆発したのであろうが、怒鳴ることはなく、しかし、静かではあるが激しい口調であった。 

私「猫はここで餌をやらないと確かに近隣に散らばるけど、そもそも猫の数が多いから、散らばった先にもノラ猫はいて、その猫が今度はこちらに流れてくることになり、結局は猫の入れ替わりがあるだけで数は減らないと思うよ」 

男性「てめーが世話してるから、みんな迷惑してんだよ。『餌やるな』って貼り紙してやろうか、気持ち悪りーなー」、また「気持ち悪い」である。心底「気持ち悪い」と思っていることが解る。

 結局男性の気迫に押された私は、男性の質問に応えるQ&A方式の返答になってしまった。横を通る数人は足早に立ち去って行かれる。

大声ではないが勢いがある「もの言い」なので、恐怖感があった。 

私「貼り紙しても問題は解決しないと思うよ。餌をやらないと猫はゴミを漁ったりして、かえって別の問題が発生すると思うけど。                  私は地域猫活動をしているボランティアで、行政とも一緒に活動してるし、このご近所は私が餌やりしてることをご存じの人も多いよ。      そもそも、初めて話す私に対して『てめー』って言う言葉遣いは失礼だと思うけど」 

男性「よし、出るとこに出ようじゃないか。だいたい何の権限があって、てめーがここの猫に餌やってんだよー」 

私「そもそも、5~6年前は猫は20匹以上いたんだよ。近所の何人かが餌をやって増やしちゃったみたいで、私が自費で手術してこの子たちの世話をしているの。今は7~9匹ほどに減っていて、もう繁殖しないから一代限りの命を全うさせてやろうと思ってるのよ」 

ここで彼は、いきなりトーンダウンした。しばらく沈黙があり「そうですか・・・、続けて下さい」と言った。

へ?? 続けて・・・下さい・・・? 「解って下さったの? ありがとう。良かった、これからは道で会ったら、お互い声を掛けながら行きましょうね」と言ったこの辺りで、大通りからお巡りさんが2人走って来られるのが目に入った。心配して下さった通り掛かりのどなたかが110番をして下さったらしい。パトカーを呼ばれてしまったわけである。 

ところが、このお巡りさん、なんとあの「グレー」の子猫を保護しに行った交番(№24,25「事情聴取 上・下」)で何度かお会いしたことのある方だった。お巡りさんに「あれ、あなた、あの時の」と言われ、「あー、あの時のお巡りさんでしたか、子猫は里親さん宅で元気にしてますよ」と報告。こうなったら話は早い。グレー子猫保護の時に、NPOの名刺もお渡ししてあり、私の素性は全てご存じだからである。

この男性と「猫の餌やり」で誤解があり、事情をお話ししたらばご理解いただいた旨をお伝えし、あっという間に一件落着したわけである。 

この経験で私は「猫の餌やり」という行為が、軽んじられていることを再認識せざるを得なかった。男性は頭から「餌やり」を疑うことなくいわば「非常識」な行為と捉え、理由も訊ねずいきなりストレートに「抗議」された。「気持ち悪い」と何度か言われたのが私の心に刺さった棘となったのは否めない。

今までも、そして現在も「可愛いから」「可哀想だから」と給餌をし、その結果猫を増やしてしまった餌やりさんがまだまだ多い。「餌やり」=「非常識」や「迷惑」と認識される状況を払拭するには、私たちボランティアも広報や啓発活動を行うなど、地道な努力を続けて行くことが肝要である。 

それはさておき、また、猫に助けられた。やはり「猫の手」は借りられているんだなぁ。

 

2011年/12月某日 くどいけいこ